経管栄養法


管(チューブやカテーテルなど)を介して、栄養や水分などを補給する

方法を経管栄養法といいます。

経口摂取が長時間出来ない場合や、栄養が不十分な場合に実施されます。

腸を通さず太い静脈から栄養を補給する方法を

中心静脈栄養法といいます。

広義の意味では、高カロリー輸液(中心静脈栄養)や末梢静脈栄養も

経管栄養法に入ります。

 腸を通して栄養を補給する場合を、経腸栄養法といいます。

経鼻栄養法・胃瘻栄養法・空腸栄養法などがあります。

 

腸を通さず静脈から栄養を補給する方法を静脈栄養法といいます。

静脈栄養法も広義の意味では経管栄養法に入ります。

 

◆経管栄養法の種類

○経鼻栄養法

胃の中まで挿入した管から栄養剤(流動食など)を注入します。

片方の鼻腔から胃管を挿入し、栄養や水分を補給する方法です。

胃管は、経鼻栄養チューブ、ストマックチューブ、

マーゲンゾンデ、経鼻カテーテルなどとも呼ばれています。

 

○胃瘻栄養法

胃瘻とは、チューブを胃の中に通すための穴のトンネル(瘻孔・ろうこう)

のことです。腹壁と胃に穴を開けて胃瘻を造設します。

造設した瘻孔に胃瘻チューブを挿入して、栄養や水分を注入します。

 

○空腸栄養法

栄養チューブの先端を空腸に留置するか、空腸の上部に穴を開けて

空腸上部に空腸瘻を造設して、栄養や水分を補給する方法です。

 

○中心静脈栄養法(IVH、高カロリー輸液)

高カロリー輸液(IVH)、完全静脈栄養法(TPN) とも呼ばれます。

中心静脈栄養法では、太い静脈を利用して栄養補給をします。

 

*中心静脈とは?

心臓(右心房)の近くにある上大静脈と下大静脈 の太い血管をさします。

上記の位置に留置させることで、静脈炎などの合併症を防ぐことが出来ます。

上大静脈や下大静脈内に留置することにより、

濃度の高い輸液(浸透圧の高い輸液) が血管内に

注入された場合は、速やかに希釈されて血管壁への刺激を防ぐことが出来ます。

 

○末梢静脈栄養法

短期間(目安としては2週間以内)、口から必要なカロリーや

水分などを摂取できない場合に、末梢の静脈を通して

栄養補給をする方法です。

 


◇参考文献

書籍

「わかりやすい病態生理」小学館

「最新医学大辞典」医歯薬出版株式会社

「PEG(胃瘻)改訂版適切な栄養管理を行うために」フジメディカル出版

「医学大辞典」

「家庭医学大百科」

 「広辞苑」

 

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