アンプルカット


◆アンプルカットとは?

アンプルの頚部のくびれている部分に

アンプルカッターで傷を入れて、先端を折ること。

又は、あらかじめ傷のあるアンプルをカットすること。

 

 

◆アンプルカットする時のポイントと注意点

《イージーカットアンプルの場合》

イージーカットアンプルとは、カットし易

いように頚部にあらかじめ傷がついている

アンプルのことです。

 

① 薬液を胴体の部分に移動

アンプルの頭部の部分に薬液が残ってい

る場合は、頭部を軽く指でたたいたり

(はじく感じで)、 ゆっくり転倒させた

りして、薬液を胴体の部分に移動させます。

 

 

② 傷がついている部分を真正面におく

頚部(くびれた部分)の傷がついている

部分を手前に見える様に真正面にもってきます。

ワンポイントカットアンプルの場合は傷の

真上に丸いマークがついています。

 

 

③ アルコール綿などで消毒

傷のついている部分をアルコール綿等で拭きます。

消毒とともに、異物などの混入を少しでも防ぐことが出来ます。

 

 

④ アンプルの把持

アンプル頭部の持ち方は、マークのつい

ている部分より少し上に、利き手の親指

の腹をあてて、裏側は人差指と中指の腹

でしっかり支えます。

 

大きいアンプルの場合は、裏側は親指以外

の4本の指をそろえて、4本の指の腹全体

で支える様にしてカットすると安全です。

小さいアンプルは、親指と人差し指だけで

折ることも出来ますが、アンプルのガラス

片の混入を防ぐ為と怪我をしない為に、

カット部分にはなるべく、負荷がかからない様にします。

 

アンプル胴体の持ち方は、傷がついてい

る少し下の部分に、反対側の親指の腹を

あて、裏側は残りの4本の指をそろえて

指の腹全体で支えるようにして把持します。

 

 

⑤アンプルをカットする

アンプル頭部を向こう側に折ります。

ポイントマークと反対側の方向です。 

 

アルコール綿や滅菌ガーゼ等をアンプルの

上部から頚部にかけて覆う様にしてカット

すると、指の怪我を防止できます。

 

 

《アンプルカッターでカットする場合》

① アルコール綿などで消毒

アンプルの頚部、くびれの部分をアルコ

ール綿などで拭きます。

 

 

② アンプルの頚部に傷をつける

アンプルカッターで清拭した部分に傷をつけます。

アンプルカッターの形にもよると思います

が、ハート形の小さいヤスリを使用して傷

をつける場合は、アンプルの頚部にヤスリ

のくぼんだ部分をあてて2~3回少し回す

様にして傷をつけます。

 

 

③ もう一度アルコール綿で消毒

傷を付けた後、もう一度アルコール綿で拭きとります。

消毒と異物の混入を防ぐ為です。 

 

あとはイージーカットアンプルと同じです。

 

大きなアンプルは特に注意して下さい。

無理に折ろうとせず、正確な位置を確認

しなおしてカットして下さい。

それでもカットできない場合は、アンプ

ルカッターで再度傷をつけてやり直して下さい。

最初は小さいアンプルで何度も練習して

おくといいと思います。

 

 

◆アンプルカット時の注意点と対策

●注意点①

ガラスの細かい破片などの異物が薬液に

混入しないようにする。

ガラスをカットする時は、微小なガラスの

破片が生じるため、薬液への混入を防ぐ必要があります。

 

対 策

カットする部分への負荷を最小限にする

ことが大切になります。

特に大きなアンプル(20ml 50mlなど)は気をつけます。

①力を入れすぎない

②アルコール綿などの活用

③指の腹全体でしっかり把持し頭部を持

ち上げるようにして折る

④プラスチックアンプルの使用

 

最近では大きなアンプルは、プラスチック

アンプルに切り替えているところもあります。

 

●注意点②

細菌などの混入を避ける。

 

対 策

①可能であれば、調剤室など清潔な環

境下(クリーンルームなど)で実施する

病室内での実施は緊急時以外は避ける。

 

②実施する前に手を清潔にする

③アルコール綿などでの消毒をしっかりする

④異物などの混入を最小限に抑える

(注意点①の対策と同じ)

 

 

●注意点③

ガラスで指などに傷をつけないようにする。

 

対 策

① カットの部分に負荷をかけすぎない

怪我をし易い部位は人差指です。

カットする角度にもよりますが、人差指

の第一関節の側面で把持してカットする

場合があります。この方法だと力が入り

易くてカットし易いですが、大きいアン

プルの場合は怪我をし易くなります。

又カット部分の負荷が強くなるため、

ガラス片が混入しやすくなります。

理想としてはなるべく、指の腹全体で

把持してカットした方が安全です。

 

②傷がついている部分が正確に確認で

きる様に真正面に位置させる

アンプル頭部と傷がついている部分を

直角にカットすること。

斜めになると折れにくくなります。

無理に折ると形が崩れカット面があらく

なり、怪我をし易くなります。又負荷が

強くなるためガラス片が多くなります。

その為正確な位置でカットすることが

重要になります。

 

③アルコール綿や滅菌ガーゼなどをあててカットする

 

④傷がつかないように、前もってゴム

手袋やカットバンなどで保護

 

⑤慌てないこと

 

⑥力を入れすぎないこと

 

⑦最初は小さいアンプルでコツをつかむ

 

 

◆ま と め 

①慌てないこと

 

②無理に折ろうとしない

カットし難い場合は、傷の位置を再確認

したり、アンプルカッターで再度傷をつける。

 

③指に傷をつけない様にゴム手袋や

カットバン等で指を保護しておく

 

④アルコール綿や滅菌ガーゼなどを

あててカットする

 

⑤最初は小さいアンプルでコツをつかむ

回数を重ねると力の入れ具合や、きれい

に割れ負荷のかからない持ち方等、体が

自然に覚えてきます。

 

⑥力を入れすぎないように

 

⑦大きなアンプルは特に注意して取り扱う

 

 



◇参考文献

書籍

写真でわかる基礎看護技術①看護技術を基礎から理解!

(株式会社インターメディカ)

ナース必携最新基本手技AtoZ EXPERT・NURSE 保存版

(小学館)

ポケット版カルテ用語辞典 編集大井静雄 照林社発行

(小学館発売)

 

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